VPNとは?仕組みを初心者にも簡単に解説!必要性・利用シーンも
- リモートワークが当たり前になった昨今、セキュリティ対策をしないまま社員にリモートワークさせていいのでしょうか?セキュリティ事故などが起こらないか不安です。
- 外出先や自宅で社外のインターネットを使う場合、情報漏洩などのセキュリティリスクがあり危険。そこでセキュリティ対策のひとつとして導入が推奨されているのが、今回ご紹介する「VPN」です!
- VPN?聞いたことありますが、どのような仕組みで、どんなことができるんですか?
- VPNとは「Virtual Private Network」の略で、仮想のプライベートネットワークのこと。VPNを利用すれば、自宅でも社内のネットワークを使って安全性の高い状態で通信ができます。
そこで本記事では、VPNの仕組みや導入のメリット・デメリット、できること、よくある利用シーンをわかりやすく解説します。
リモートワークのセキュリティ強化において欠かせない内容ですので、最後まで必見です。
VPNとは?基本知識を初心者にも簡単に解説
VPNとは「Virtual Private Network」の略で、直訳すると「仮想専用網」という意味。
ある拠点間の接続をひとつの仮想的な専用ネットワークとして使えるため、自社社員が利用する回線で安全に通信ができます。
つまりVPNを利用すると、自宅でも社内のインターネット回線で通信が可能。
VPNを通してやり取りする通信は暗号化され、第三者からは解読できないようにデータを保護できるのです。
VPNはなんとなく安全なものだとイメージできたところで、次にVPNの仕組みをご紹介します。
VPNの仕組み
VPNについて正しく理解するには、「トンネリング」「カプセル化」「暗号化」いう3つの技術について知る必要があります。
まず1つ目の「トンネリング」とは、第三者が通れない仮想の専用回線を設ける技術です。
インターネットを経由しながら、一般のユーザーの目に触れさせないようにパケットを相手先ネットワークにまで送り届けることができます。
そしてこのトンネリングは、2つ目の「カプセル化」という技術によって実現します。
カプセル化とは、やり取りするデータをカプセルのようなもので覆う技術。
データは元々、パケットと呼ばれる送信用に細切れにされたデータのかたまりですが、カプセル化することでひとつのデータとして送受信できます。
さらに3つ目の「暗号化」は、簡単に言うと通信内容を見えないようにする技術です。
カプセル化を行うと、第三者の目に触れることなくデータを送り届けることができますが、通信経路上に読み取り可能なデータが流れることは避けられません。
そこで暗号化でデータを無意味な文字列に置き換えることにより、通信傍受があっても第三者はデータを解読できないので安心です。
以上よりVPNによる高いセキュリティは、「トンネリング」「カプセル化」「暗号化」の3つの技術から成り立っています。
VPN接続は大きく分けて4種類!それぞれの特徴とは
VPNには大きく分けて4つの接続方法があります。
- 1.インターネットVPN
- 2.IP-VPN
- 3.エントリーVPN
- 4.広域イーサネット
それぞれの特徴を詳しく解説するので、ぜひVPNのサービス選びの参考にしてください。
①インターネットVPN
インターネットVPNとは、複数のユーザーで共用する回線を仮想的な専用ネットワークとして利用するVPN。
インターネットVPNのメリットは、共用の回線なので比較的安価に導入できることです。
ただし暗号化を行っているとはいえ、オープンなインターネット回線を利用するため不正アクセスなどの攻撃を受ける可能性があります。
またインターネット回線が混雑したとき、通信速度が低下するケースも。
とはいえVPNと言えばインターネットVPNと認識している人も多いほど、インターネットVPNは一般的に広く普及しています。
②IP-VPN
IP-VPNとは、通信事業者の閉域ネットワークを用いて構築するVPNです。
IP-VPNの最大のメリットは、通信事業者の閉鎖ネットワークを利用するためセキュリティの強度が高い点。
また暗号化の必要がないため、通信速度が速いのもIP-VPNの大きな魅力です。
ただ通信事業者の閉鎖ネットワークを使うため、通信コストはインターネットVPNよりも高額。
またインターネットを利用する場合、別途インターネット用の愛泉を用意する必要があるのも懸念点です。
③エントリーVPN
エントリーVPNとは、通信事業者が提供するIP網を利用するVPNです。
インターネットVPNと似ていますが、「IP」という通信規約に則って通信する点が大きな違い。
またエントリーVPNでは、比較的安価な光回線やブロードバンド回線をアクセス回線として使い、閉塞網に接続します。
メリットは、インターネット回線を経由せずに閉塞網に接続するため、インターネットVPNよりも安全性が高い点です。
外部からの不正アクセスやデータの抜き取りにも強く、安全性の高い通信が実現します。
④広域イーサネット
広域イーサネットとは、通信事業者が独自に用意した閉域網を利用したVPNサービスです。
比較的安価で、VPNルーターの用意と設定さえできればVPNが構築できる点がメリットです。
広域イーサネットは、IP-VPNと同じく閉塞網を利用してVPN接続を行なうため、安全性の高い通信環境を構築できます。
しかし通信事業者との契約が必要なので、導入コストが比較的割高になるというデメリットもあります。
VPNは必要ない?導入のメリット・デメリット
VPNの仕組みや種類について、ご理解いただけたでしょうか。
しかしVPNは本当に必要なのだろうか、と疑問に思っている人もいるでしょう。
VPN導入によるメリット・デメリットについて、詳しく紹介していきます。
VPNのメリット
VPNを導入することによるメリットは、次の3つです。
- 1.一定レベルの安全性を確保できる
- 2.リモートワークに対応できる
- 3.低コストで拠点間通信できる
メリット①一定レベルの安全性を確保できる
VPNを利用することで、安全性の高い通信が可能です。
導入してしまえば、データの所有者にセキュリティの知識がなくとも、一定の安全性を確保できます。
たとえばカフェなどで、従業員がフリーWi-Fiを利用したとします。
フリーWi-Fiは誰でもアクセスできるため、通信傍受や、情報漏えいやサイバー攻撃を受けてる可能性があります。
そんなときにVPNを利用すれば、外出先でもセキュリティ対策が施された状態で通信が可能です。
従業員にセキュリティ対策技術がなくとも、VPNに接続するだけで安全性を確保できます。
メリット②リモートワークに対応できる
またVPNを利用すれば、リモートワークでも安全に業務に取り組むことが可能。
自宅での業務や出先で急ぎの対応をするときにも、自社内のネットワークに安全かつスムーズにアクセスできます。
そのため、リモートワークにVPN接続は必須です。
社内のデータやシステムを利用しなければいけない業務も、VPN接続すれば自宅や外出先からでもアクセスできます。
メリット③低コストで拠点間通信できる
さらにVPNは、低コストで拠点間通信を実現できる点が嬉しいメリットです。
インターネットVPNなら、導入の料金相場は2~5万円程度に抑えられます。
IP-VPNは導入後の運用にも費用がかかり、一般的には月額5,000円~5万円程度です。
拠点間や自宅からでもセキュアな環境で、社内のネットワークにアクセスできるのは便利。
低コストかつ利便性の高いVPNで、安全な通信環境を手に入れましょう。
VPNのデメリット
VPN導入にはメリットがある一方、デメリットもあります。
- 1.通信速度が低下する可能性がある
- 2.サービスによっては高コストになる
デメリット①通信速度が低下する可能性がある
インターネットVPNを利用する場合、回線が混雑すると通信速度が低下する可能性があります。
たとえば従業員が一斉に動画データをダウンロードすると、通信量が多くなり通信速度低下の原因になることも。
他には、インターネット通信料の多い時間帯による影響も受けます。
通信速度が低下すると業務に支障が出る恐れがあるため、サービス選びには注意が必要です。
デメリット②サービスによっては高コストになる
また選ぶサービスによっては、導入・運用コストが高額になる場合があります。
より安全性の高いVPNを検討するなら、IP-VPNもしくは広域イーサネットがおすすめ。
しかし通信業者と契約が必要になるため、導入コストが高くなってしまう可能性があります。
VPN導入はセキュリティ面で必要ですが、費用対効果を検討しながらサービスを選びましょう。
VPNで何ができる?よくある利用シーン
VPNを導入すれば、セキュリティ対策ができることが分かりました。
しかし運用面でどのような用途があるのか、具体的な利用シーンが知りたいですよね。
VPNを導入することで、次のような利用が可能です。
- 自宅から社内のネットワークやシステムにアクセスできる
- 今いるオフィスから別オフィスのIT機器を操作できる
- 拠点間でデータのやり取りができる
①自宅から社内のネットワークやシステムにアクセスできる
VPNの仕組みを利用すると、自宅からでも社内と同じように業務を行えます。
自宅と社内のネットワークやシステムを仮想専用回線でつなげ、同じネットワークとして扱えるためです。
会社内のネットワーク上に保管しているデータは、一般的には同じネットワークでないとアクセスできません。
これにより自宅でリモートワークしようとも、会社内のネットワークにアクセスできず、自宅での業務が難しいのです。
社内システムも同様です。
パソコンにソフトがインストールされていれば、システムだけは利用できるでしょう。
しかし利用するシステムのなかには、データベースが必要な場合があります。
分かりやすい例で言えば、顧客情報を利用するようなシステムです。
自宅からでは、顧客情報が管理されたネットワークを利用できないため、業務ができません。
しかしVPNを構築すると、仮想の専用回線が用意できます。
これにより自宅にいながら、社内のネットワークやシステムにアクセス可能です。
自宅や出張先のホテルだとしても、VPNによって社内のネットワークやシステムにアクセスでき、効率的に業務を行えます。
②今いるオフィスから別オフィスのIT機器を操作できる
VPNを利用すると、別オフィスにあるIT機器を操作できるようになります。
VPNは仮想通信網で、他拠点をつないでやり取りできるようにする仕組みのためです。
たとえば本社にしか置いていないIT機器があったとしても、VPNを利用すればアクセスできます。
IT機器の利用に必要なデータがあったとして、それを各拠点で保管するのはリスクも手間もかかります。
しかしVPNで拠点間をつなげば、各拠点からデータを利用すればいいだけです。
この仕組みの応用で、別拠点にあるコピー機からの印刷も可能。
本社にいながら、VPNで接続されている他拠点のコピー機から印刷できます。
VPNは他拠点との通信をつなげられるので、IT機器の置き場所に関係なく業務を行えます。
③拠点間で安全かつスムーズにデータのやり取りができる
他拠点のIT機器が操作できるということは、拠点間で安全かつスムーズにデータのやり取りが可能です。
たとえば本社と支社をつなぐこともできます。
本社で注文データを受理したら、VPNで接続されている支社のサーバーにアクセスして保存ができます。
本社にいながら、支社にあるサーバー内のフォルダ操作もできるため、拠点間の業務がスムーズです。
ペーパーレス化を進めている企業では、FAXによる紙の注文書を電子化する動きがあります。
FAXで受信した注文書は紙で出力せず、直接サーバーに格納します。
そして受信した注文書を、VPNでつないでいる各担当拠点のサーバーに移動させることで、業務をスムーズにできるようにしている会社も多いです。
VPNは、拠点間のやり取りをスムーズにしてくれる画期的な仕組みです。
VPNを利用しないことで想定される危険性
VPNは便利な反面、導入にはコストがかかります。
とはいえコストを気にしすぎるあまり、VPNを導入しないのは危険でもあります。
理由は、サイバー攻撃による情報漏えいリスクを抱えてしまうためです。
サイバー攻撃による代表的な被害には、以下のようなものがあります。
- 情報漏えい
- ウイルス感染
- 不正アクセス
これらのサイバー攻撃がされると、業務が止まってしまうことも。
そうなると、会社にとって大きな損失となってしまうでしょう。
また近年、「ランサムウェア」による被害も増えています。
ランサムウェアとは、悪意ある第三者が感染させたパソコンのファイルを暗号化などによって利用不可能な状態にし、ファイルを元に戻す代わりに金銭を要求してくる不正プログラムのことです。
実際に金銭を支払っても、ファイルを元どおりにしてくれる保証はありません。
最悪の場合、金銭をもらうだけもらってパソコンの暗号化は解かない、ということもあり得ます。
こうした身代金を要求するような流れから、身代金要求型不正プログラムとも呼ばれています。
VPNを利用しないことで、サイバー攻撃による被害を受けてしまう危険性が高まるでしょう。
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まとめ|VPNとはセキュリティ・利便性において企業に必須なセキュリティ対策
今回はVPNの仕組みや導入のメリット・デメリットについて説明しました。
VPNを構築することで、一定レベルの安全性を担保できる他、リモートワークなど柔軟な働き方にも対応できます。
近年、ランサムウェアなどのサイバー攻撃被害が相次いでいます。
セキュリティ対策していないと、多額の被害に遭ってしまうかもしれません。
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