LAN設備のローゼットって何?工事の注意点と業者の選び方
以前、お客様から「LAN工事って私でもできますか?」というご質問をいただきました。確かに、電気工事や電話工事だと専門の業者に依頼するイメージですが、LAN工事だと自宅でも自分で行っているので大丈夫な気がするのでは?
一部を除き、LAN工事は無資格でも行えます。ただ、オフィス規模のLAN工事になると配線が複雑に入り組んでいて一般の方には難易度は高めです。配線1本を刺し間違えるだけで、全体のシステムが異常をきたすこともあります。
今回は、LAN工事に使用される「ローゼット」を例にしてお話を進めたいと思います。また、オフィスのLAN工事で最も重要と言える「信頼できる業者」を選ぶポイントについてもまとめてみましょう。ぜひ、LAN工事の参考にしてください。
ローゼットってLAN設備のどこ?
皆さんは「ローゼット」と呼ばれるLAN設備をご存知ですか?おそらく、ほとんどの方はLANケーブルやルーターなどは耳にしていても、ローゼットは聞いたことさえないと思います。では、ローゼットとはどのような設備なのかご紹介しましょう。
①ローゼットって何?
ローゼット(rozette)とは、配線と各機器(モデムや電話機、照明器具など)を接続するためのコンセントのようなもの。ほとんどは箱型(LAN用)をしていますが、中には円柱型(照明器具)をしているローゼットもあります。
よく「ローゼット=LAN設備」とだけ認識されますが、LAN設備に限らずコンセントのようなものを全般的にローゼット(メス側)と呼んでいます。ちなみに、LANケーブルの先に付いているものは「コネクタ(オス側)」と呼びます。
②ローゼットの種類
ローゼットと一括りにしていますが、実はいくつかの口数が提供されています。例えば、一般家庭規模なら1口もあれば十分ですが、オフィス規模になると2〜4口。時には、6口のローゼットからLANケーブルを枝分けすることもあります。
一般的にオフィスのLAN設備は、通信速度の速さと通信環境の安定性から「有線LAN」が採用されます。ただ、有線だと1口に対してLANケーブル1本だけと足りないことも。LANケーブルの本数に合わせてローゼットを選ぶ訳です。
③ローゼットの取り付けには資格が!
LAN設備としてのローゼットは、スマホケースくらいの大きさの箱型のものを壁に取り付けます。一見すると「ちょっと配線を差し込めばいいだけ」と一般の方でもできそうですが、実際は電話回線(ネット回線)を引き込む知識・技術が。
冒頭で紹介した通り、LAN設備は誤ったつなげ方をすると全体のシステムが停止することもあります。そのため、ローゼットに関わるLAN工事には「工事担任者」の資格があるか、または資格者が監督している状況でしか行えません。
モジュラージャックと何が違うの?
ローゼットは資格が必要とのことでしたが、中には「自分で行いたい」という方もいるのでは?そんな時は「モジュラージャック」を用いるというのも1つの手です。では、LAN工事に使えるモジュラージャックとは何かについてご紹介しましょう。
①モジュラージャックって何?
モジュラージャックとは電話回線をひとまとめにし、電話やネット(モデムやLAN)と接続するための受け口です。ローゼットと役割自体は全く同じですが、仕組みは簡素なものに。最近はほぼ全てにモジュラージャックが採用されています。
ただ、昔の建物だと今だにローゼットが使われ続けているところも。今後は全てがモジュラージャックに変わるはずなので、まだローゼットなら交換するのがおすすめです。ローゼットからモジュラージャックへは専門の業者に依頼しましょう。
②モジュラージャックなら誰でも付けられる!
仮に、オフィスの電話やネットがすでにモジュラージャックに対応しているなら、交換や取り付け自体は「無資格」でも行えます。というのも、ローゼットとは異なり、モジュラージャックは基本的にワンタッチで脱着可能と誰でも簡単なのです。
ちなみに、導線の本数が2本なら1対の電話またはモデム(ネット)のみ、4本なら多機能電話にも対応したタイプです。どちらも家電量販店やホームセンター、ネットショッピングなどで手軽に手に入るので興味があるならチェックしてください。
③LAN工事を自分で行うことの注意点と危険性
モジュラージャックに対応していれば無資格でもLAN工事(一部を除き)はできます。ただ、業者側から言うと、オフィスのLAN工事は専門の業者に依頼するべきです。以下に、LAN工事を自分で行う注意点・危険性をまとめました。
- 配線の刺し間違えでシステムが停止する
- 乱雑な配線のためにLAN設備が使いづらくなる
- LANケーブルの無理な延長で速度が下がる
LAN工事で最も多いのが、配線が乱雑になりすぎて「このLANケーブルはどこにつながってるの?」と分からなくなること。特に、LANケーブルの両端を同じスイッチングハブに接続すると、信号がループして高確率でシステムが停止します。
ちなみに、どうしても自分でLAN工事を行いたいなら「配線の行き先をタグで表示する」のがおすすめです。例えば、機器Aから機器BまでをつなげるLANケーブルなら「AーB」と。配線の行き先がはっきりしていると刺し間違えを防げます。
LAN工事は「信頼できる業者」へ
LAN工事を専門の業者に依頼するとなると「どこを選べば?」と困るもの。業者選びで最も大切なのは「信頼できるか?」ということです。では、最後にオフィスのLAN工事を任せられる信頼できる業者を選ぶポイントをご紹介しましょう。
①知識・経験が豊富か?
基本的なポイントとして、業者がLAN設備の知識・経験を持っているのか?が挙げられます。というのも、最近のLAN工事のほとんどは無資格でも行えるものばかり。業者の中には一般の方と変わらない知識・経験しかないこともあります。
一般家庭ならまだ良いのですが、オフィス規模になるとLANケーブルが複雑に入り乱れており知識・経験が欠かせません。業者に頼んだはずが全てのシステムが停止…、なんて事態を避けたいなら施工実績などでチェックしておきましょう。
②拡張性を考えて提案できるか?
LAN設備を拡張することを考えた提案ができるか?も業者を選ぶ上では重要なポイントです。社員の増員や機器の導入などオフィスは常に変わっていくもの。それに伴ってLAN設備も変化、拡大できる余裕がないと後で困ります。
例えば、配線の設計からモジュラージャック(またはローゼット)の口数、位置など。ただ空いているスペースに取り付けるのではなく、将来的に拡張することも考えてオフィスのレイアウトから考えてくれる業者を選ぶのがおすすめです。
③アフターサービスが充実しているか?
業者を選ぶなら、アフターサービスが充実しているか?も確認しておきたいところです。先述した通り、LAN設備はオフィスの発展を見越して拡張性を持たせる必要が。つまり、将来的に複数回の点検・再工事が必要となる訳です。
また、信頼できる業者でも作業するのは人間なだけにミスすることも。中には、自社のミスで不具合が発生したにも関わらず、高額な作業費を請求してくる業者もいます。アフターサービスが充実している業者なら安心して依頼できます。
まとめ
今回は、オフィスのLAN工事を検討中の方に向けて、「ローゼット」とは何か?についてまとめてみました。ローゼットとは、配線と各機器を接続するためのコンセントのようなもの。設置や取り替えには「工事担任者」の資格が必要です。
最近では無資格で工事できる「モジュラージャック」もあり、LAN工事のハードルは下がっています。ただ、一般家庭ならともかく、オフィス規模なら専門の業者に。業者は「信頼して任せられるか?」を基準に選ぶのが良いでしょう。
ちなみに、もし業者を選ぶのに迷っているならOFFICE110にご相談ください。office110には工事担任者の他に、電気工事士や陸上無線技士など各種有資格者が在籍しています。どんな工事も安心してお任せいただけます。