LANのソケットが足りないときの対処法!ハブと無線機器の選び方
オフィスにはパソコンにプリンター、オフィス電話とネット環境に接続する機器が数多くあります。中でも、パソコンは社員の人数分だけ揃えるのが一般的ですから、それだけでも相当な数に。「ソケットが足りない…」というのはよくあります。
ソケットはLAN(ネット環境)に接続するための受け口(ジャック)のような存在です。当然、LANのソケットが足りないことになれば、機器をこれ以上増設できません。ネット環境を整えるのにソケットが足りないのは問題です。
そこで、今回はLANのソケットが足りないときの対処法についてご紹介しましょう。その上で、スイッチングハブや無線LAN機器などの選び方についてもまとめています。ぜひ、オフィスのLANについて考えているならチェックしてみてください。
LANのソケットが足りないなら?
自宅ならともかく、オフィス内でLANのソケットが足りないのは大問題に。パソコンやプリンターなどネット環境に接続できないのですから当然です。では、まずはLANのソケットが足りないときの対処法について3つほどご紹介しましょう。
①ソケットの増設工事を依頼する
まず、LANのソケットが足りないのであれば、足りない分のソケットを増設してしまいましょう。ソケットの増設工事は決して難しいものではなく、専門の業者に依頼すれば1箇所10,000円前後で1時間程度と手間・費用とかかりません。
ちなみに、ソケットの増設工事はDIY気分で一般の方でも挑戦できます。ただ、オフィス内にはLANの他に電話や電気の配線もあります。誤った配線に触れると、オフィス全体のネット回線や電話回線に異常をきたすので要注意です。
②スイッチングハブを取り入れる
次に、手間・費用的にソケットの増設工事が難しいようなら、「スイッチングハブ」を取り入れるのも1つの手です。スイッチングハブとは、ソケットから引いてきたLANケーブルを枝分かれさせるための設備のこと。5股や8股などがあります。
スイッチングハブ自体は家電量販店やホームセンター、ネット通販などでも手軽に手に入れられます。スイッチングハブを中心に機器をLANケーブルで接続するだけ、特別な工具や知識のない一般の方でも行えるのもポイントです。
③無線LANルーターで接続する
最後に、スイッチングハブでソケットを増やすのがよく分からないなら、「無線LANルーター」を活用するのもおすすめです。無線LANルーターとはモデムから伸びているネット回線(有線)を電波(無線)として周囲に放射する機器です。
つまり、無線LANルーターがあればLANケーブルに接続せずともパソコンやプリンターなどをネット環境に接続させられます。ちなみに、最近の無線LANルーターであれば1機で3階建をカバーできるほど。1室であれば十分安定した電波です。
スイッチングハブの選び方
ソケットの増設工事であれば専門の業者に依頼すれば良いです。そこで、ソケットが足りないときの対処としてスイッチングハブの選び方を見ていきましょう。スイッチングハブと一括りにしていますが、様々な規格のものが提供されています。
①LANポート数が多いものを
スイッチングハブにはいくつかのLANポート(ソケット)が備えられています。最も少ないので5ポート(股)、大きいものだと16ポートや24ポートなども。オフィス向けであれば16ポート前後のスイッチングハブを選ぶのがおすすめです。
というのも、必ず1ポート(ソケット)は主回線に接続する必要が。例えば、16ポートだと最大15ポートまでしか使えません。また、ポート数が多すぎると混線して通信速度が落ちたり不安定になりやすいので、多すぎるのも問題です。
②1,000Mbps対応のものを
スイッチングハブには主に100Mbpsと1,000Mbpsに対応したものが提供されています。「Mbps」とは通信速度のことで、数値が大きいほど通信速度は速く、ネット環境は快適です。ちなみに、1,000Mbpsは1Gbpsと同じ速度です。
ただ、理論値が1,000Mbpsのネット回線を契約していても、実際にはそれほどの速度は出ません。また、WEB閲覧やメール送信程度であれば100Mbpsでも十分です。数が必要ならお得な100Mbpsを選ぶのも1つと言えます。
③ソケットが金属製のものを
ソケット(ポート)が金属製とプラスチック製と、スイッチングハブには主に2種類のものがあります。金属製には頑丈かつ発熱に強いという特徴が。反対に、プラスチック製は軽くかつ安価で手に入りやすいというのが特徴です。
基本的にオフィスで使用するなら多少値段が高くとも金属製を選ぶのがおすすめです。また、スイッチングハブには電源内蔵タイプとACアダプタタイプがあり、長時間の使用が予測されるオフィスではACアダプタタイプが安心できます。
④ループ検知・防止のものを
オフィス向けのスイッチングハブを選んでいるなら、「ループ検知・防止」の機能のついているものを選びましょう。ループとは、スイッチングハブのソケット(ポート)同士を同じLANケーブルでつなげてしまうこと。回線がループし続けることです。
回線がループすると、オフィス内のネット回線が全て停止することも。自宅であれば機器の数も少ないので対処しやすいのですが、オフィス規模になるとどこがループしているのか分からないこともあります。ループ検知・防止は必須です。
無線LANルーターの選び方
スイッチングハブを使用する他に、ソケットが足りないときの対処として「無線LANルーター」の活用がありました。では、無線LANルーターの選び方について見ていきましょう。無線LANルーターを選ぶのもポイントさえ知っていれば簡単です。
①規格はac対応のものを
無線LANルーターには主にIEEE80211a/11b/11g/11n/11acと5つの規格があります。この規格は周波数を表しているもので、種類によって他の電波からの干渉されやすさが変わります。電子レンジやBluetoothは要注意です。
ちなみに、規格の中でも11acというものは電子レンジなどからの電波にも強く、かつ長距離の通信にも耐えられます。当然、最新の無線LANルーターは11acに対応しているはずなので、オフィスで使用するなら11acがおすすめです。
②自動セットアップ機能の付いたものを
無線LANルーターと聞くと「設定が難しいのでは?」と思われがちです。確かに、ひと昔前の機種になると無線LANルーター側はもちろんパソコンやプリンターなど各機器にも個別で設定が必要でした。ネット回線に詳しい方でも面倒です。
その点、最近の無線LANルーターには「自動セットアップ機能」のついたものがあります。自動セットアップボタンを押して、各機器から電波を選択するだけ。ネット回線に詳しくない方でも簡単に無線LANを構築できるので便利です。
③セキュリティはWPA2のものを
無線LANルーターを使用する上で、最も注意したいのは「セキュリティ対策」について。無線なだけにクラッキング(ハッキングの違法行為)をされるとネットワークに割り込まれ、オフィス内の重要なデータが外部に盗まれる危険があります。
実は、無線LANルーターにはセキュリティを示す規格としてWEP/WPA/WPA2の3種類が。WEPは最も古い規格なのでセキュリティ的に危険です。基本はWPA以上を、他の機器が古くないのであればWPA2が最も安心できます。
④ビームフォーミングありのものを
「ビームフォーミング」と呼ばれる機能が搭載された無線LANルーターがあります。ビームフォーミングとは、ネット回線を使用している機器(パソコンやプリンターなど)の位置を計算し、最も効率的に通信できるよう電波を送る技術です。
従来の無線LANルーターは全方位に電波を放射していたので、障害物の多い環境では十分な力を発揮できませんでした。その点、ビームフォーミングありなら他の電子機器や壁など、障害物が多くともある程度は安定してくれます。
まとめ
今回は、ネット回線を使用する上で欠かせないLANの「ソケット」が足りないときの対処法についてまとめてみました。いかがでしたでしょうか?オフィスにネット回線が欠かせない現代において、ソケットが足りないというのは重大な問題です。
- ソケットを増設する
- スイッチングハブを取り入れる
- 無線LANルーターを使用する
予算と時間があるなら、ソケットを増設した方が通信環境としても良いのでおすすめです。反対に、手軽にネット回線を広げたいならスイッチングハブでポート(ソケット)を増やしたり、無線LANルーターを活用するのがおすすめです。
ただ、オフィス規模のネット回線はソケットの増設やスイッチングハブに関係なく複雑なもの。できれば専門の業者に相談した方が安心です。もし業者選びに迷うようなら全国120,000件の実績を持つ「office110」にご相談ください。