LAN設備は工事後いつまで使えるの?耐用年数のお話し
皆さんのオフィスのLAN設備は何年前に工事しましたか?もし、工事してから10年以上が経過しているなら要注意!ネット接続の不具合やサーバーの停止、LANケーブルのプラグからの発火などのトラブルに繋がるかもしれません。
ただ、一口にLAN設備としても工事内容によって劣化のしやすさはさまざまです。そこで注目したいのがLAN工事に関する”耐用年数”のお話しです。LAN設備にも工事内容によって耐用年数が定められていて、1つの目安に使えます。
今回は、LAN設備の工事内容に合わせた”耐用年数”についてお話ししましょう。また、劣化したLAN設備を放置することの危険性と不具合への対処法についてもまとめています。LAN工事をした方はぜひチェックしてみてください。
LAN設備はいつまで使えるの?
冒頭で紹介した通り、LAN設備は工事してから少しずつ”劣化”していき、放置しているとさまざまなトラブルに繋がります。では、1つの指標として使える”耐用年数”とは一体どのようなものなのでしょうか?
①耐用年数とは
耐用年数とは”法定耐用年数”とも呼ばれ、新たに購入した固定資産に対して”何年間(問題なく)使用できるか”を行政が定めたものです。例えば、耐用年数が10年であれば、10年以上経過すると劣化が進んでいると言えます。
また、LAN設備のような固定資産は、”減価償却費”として購入代金を耐用年数の分だけ小分けに申告する必要があります。例えば、100万円のもので耐用年数が10年であれば、毎年10万円を10年間に分けて税申告する訳です。
②LAN設備は必ず劣化する
耐用年数はあくまで行政の定めた「これくらいで劣化するのでは?」という指標でしかありません。まして、耐用年数等に関する省令は1965年(昭和40年)ごろから作成されたものです。項目によっては実際の耐用年数と差があることも。
耐用年数が過ぎたからと「すぐ再工事しないと!」と急ぐ必要はありません。ただ、LAN設備はLANケーブルやHUB、ルーターなど別れるものの必ず”劣化”します。少なくとも危険な状態になるまで放置しない対策は取った方が良いでしょう。
③耐用年数をめどにLAN工事を
「じゃあ、LAN設備の耐用年数はどれくらいなの?」という方のために、以下にLAN設備周辺の工事内容ごとの耐用年数をまとめてみました。皆さんのオフィス内の状況と照らし合わせながら確認しましょう。
- サーバー…5年
- ネットワークオペレーションシステム…5年
- HUB/ルーター/リピーター/LANボード…10年
- 端末機(パソコンなど)…4年
- プリンター…5年
- ツイストペアケーブル…18年
- 光ケーブル…10年
など。
サーバーや端末機など、精密機器は耐用年数が5年前後と短めに設定されています。反対に、HUBやルーターなどは10年と長めです。「点検したこともない」のであれば、耐用年数をめどに点検・工事を検討してみるのがおすすめです。
LANの不具合は意外と危険!
LAN設備は耐用年数をめどに点検・工事した方が良いと紹介しました。これは、LAN設備が劣化すると以下のようなトラブルに繋がるリスクが高まるためです。LAN設備を甘くみていると、大規模な再工事が必要になるかもしれません。
①断線によりネット環境に繋がらない
LAN設備のネットワークを支えているのは”LANケーブル”です。皆さんご存知の通り、LANケーブルは青色や白色のケーブルで決して太くはありません。人の体重で踏みつけたり、椅子などで引っ掛けるだけで断線することさえあります。
当然、業者がLAN工事すればLANケーブルが傷つかないよう配線されます。それでも、10年もすると劣化し自然に”断線”していることも。LANケーブルが断線するとネット環境はもちろん、オフィスのネットワーク全体に不具合が生じます。
②ループによりサーバーが停止する
LANケーブル以上に繊細なのが”サーバー”。サーバーとはネット環境に接続されたコンピューターのことで、他の端末機からでも情報の閲覧・編集のできる設備を指します。基本的に24時間365日稼働しているので劣化しやすいのです。
サーバー内には企業の情報がほぼ全て記録されています。その中には”機密”と呼べる情報も含まれます。耐用年数を無視して運用しているとサーバーの劣化で停止することも。データが全て失われることもある重大なトラブルです。
③プラグ部分から発火することも
LANケーブルは断線しやすいのも問題ですが、”プラグ部分が折れやすい”のにも注意が必要です。プラグ部分とはLANケーブルの両端に付いている接続部分のことで、”プラグ端子(金属部分)”を適切に接続させる役割があります。
仮に、プラグ部分が折れるとプラグ端子がずれた状態で接続され、隙間から”スパーク(火花)”が飛ぶことに。最悪のケースとしてプラグ部分から”発火”した事例もあるようです。オフィスに誰もいない間に発火、想像したくない事態です。
LANの不具合に対してできること
耐用年数を無視して、LAN設備を維持し続ける危険性はご理解いただけたと思います。では、すでにLAN設備に不具合が発生しているとして対処法をご紹介します。業者に再工事を依頼する前に何点かチェックしてみましょう。
①LANケーブルの状態からチェック!
LAN設備の不具合の多くは”LANケーブル周り”が原因です。例えば、LANケーブルが抜けている、折れ曲がって断線しているなど。まずは端末機(パソコンなど)から伸びているLANケーブルを辿り、不審な点がないかチェックしましょう。
仮に、LANケーブルに問題があるのなら、家電量販店やネット通販などを利用して新しいLANケーブルを購入するのも1つの手です。また、LANケーブル周りが複雑で接続ミスの可能性があるのなら再工事を依頼することを検討します。
②各機器の”熱暴走”かも
LANケーブルに問題がないのなら、次は各機器の”熱暴走”を疑います。熱暴走とは、精密機器が高熱を持つことで正常に機能しない状態のことです。サーバーやルーター、パソコンなど長時間で稼働している機器ほど注意が必要です。
仮に、各機器が熱暴走しているのなら一旦電源を落とし、機体が冷えてから再起動しましょう。機器内の配線・回路が焼き切れていなければ問題なく起動します。反対に、再起動しても正常に動作しないなら再工事の必要があります。
③各機器の”再設定”を
LANケーブルも各機器の熱暴走も関係ないのなら、最後は”設定の問題”が考えられます。LAN設備は各機器とLANケーブルを繋げれば終わりではありません。ネットワークが正常に機能するよう各機器を設定するまでがLAN工事です。
ただ、各機器の再設定にはネットワークに関するある程度の知識が必要です。皆さんが詳しいなら自分で対応できますが、一般的には再工事を依頼した方が良いでしょう。勝手に触るとネットワーク全体が停止することも考えられます。
LAN工事は業者に依頼!
LAN設備の不具合に対して再工事が必要だったとします。そこで気になるのが「どこに依頼すれば?」ということでしょう。LAN設備はオフィス運営において非常に重要なものなだけに、適当なところに依頼するのは危険です。
①LAN工事は自分でもできる
実は、LAN工事自体に”資格はありません”。皆さんも自宅のパソコンをネット環境やプリンターに接続した経験があるのでは?オフィス内のLAN設備でも、LANケーブルの取り替え程度のちょっとした工事であれば皆さんでも十分に可能です。業者に依頼する手間や費用を考えるなら、家電量販店やネットショッピングで材料を揃えた方がお得なこともあります。
②オフィス規模では専門知識が
ただ、オフィス内全体のLAN設備を再工事するには”ネットワークに関する専門知識”が求められます。例えば、オフィス内のすべてのネットワーク状況の調査やサーバーの再設定など。下手に触るとネットワーク全体が停止することもあるのです。少しでも「自分には難しいかも…」と感じるなら、迷わず業者に再工事を依頼しましょう。
③”信頼できる業者”に依頼しよう!
もちろん、適当なところに依頼すると費用がかさむばかりで求める工事が受けられないことも。大切なのは「ここに任せたい!」と思える”信頼できる業者”に依頼することです。であれば、複数の業者から同一の内容で相談する”相見積もり”をおすすめします。複数の業者を比較することで、皆さんのにぴったりな1社を選べるのです。
まとめ
今回は、LAN設備を工事してから1度も点検・再工事していない皆さんに向けて、「LAN設備はいつまで使えるの?」という疑問に答えてみました。LAN設備は”耐用年数”を1つの目安として点検・再工事を検討するのがおすすめです。
ただ、使用状況によっては耐用年数前に不具合が生じることも。LAN設備に不具合があるならLANケーブルを中心に確認します。仮に、皆さんの手には負えない状態なら、問題が大きくなる前に業者に点検・再工事を依頼しましょう。
しかし、”信頼できる業者”となるとすぐには見つかりません。であれば、LAN工事を始めオフィス内の工事に関して約120,000件の実績を持つ「OFFICE110」にご相談ください。これまでの経験をもとに、最適なプランをご提案します。