電気工事の基礎知識!依頼の前にここをチェック
「コンセントが足りない」「配線が届かない」、自宅であればちょっと延長コードを買ってくれば対応できることです。しかし、オフィス内ともなるとそうはいきません。オフィスの新設やレイアウト変更など、電気工事が必要なことだらけです。
ただ、実際に電気工事を業者に依頼するとなると「どこからが電気工事?」と意外と知らないことばかりです。実は、自分で気軽に電気系統をイジってしまうと法律で罰せられる危険性もあります。電気工事は危険な作業です。
そこで、今回は電気工事を業者に依頼する前に電気工事の基礎知識についてご紹介します。電気工事に関する皆さんの「これってどうなの?」という疑問を一つずつ解消していきますので、ぜひチェックしてみてください。
意外と知られていない電気設備の役割
皆さんは普段から何気なく活躍している電気設備の役割をご存知でしょうか? 例えば、分電盤やアースなど、言葉は知っていても役割までは詳しく知らない方がほとんどです。では、基本となる電気設備の役割からご紹介します。
分電盤
分電盤とは、外部から引き込まれた電力が正しく室内に流れているかを監視するための設備です。契約以上の電力を感知すると停止する【サービスブレーカー】、電気機器への過流電を感知すると停止する【安全ブレーカー】、そして、配線の漏電を感知すると停止する【漏電ブレーカー】の主に3つの機能があります。
これらは火災や感電など、危険な電気を扱う上で欠かせない設備です。当然、設置した後も定期的に点検し、場合によっては交換工事が必要です。
アース
アースとは、地中に埋められている電導体(銅板など)と電気機器を接続するための設備です。電気機器への過流電が発生した際に余分な電流を地面に流すことで、電気機器の故障・破損を防ぐ役割があります。
また、漏電などのトラブルが発生した際には火災や感電など二次被害の発展を防いでもくれます。特に、洗濯機や冷蔵庫など湿気が多い場所、漏電した際に電流が通りやすい場所に設置されます。水回りには基本の設備です。
コンセント
コンセントとは、電気機器と配線を繋ぐための設備(差込み口)です。一見すると「どれも同じでは?」と思われますが、実際には2口のダブルコンセントやアースの付いたアース付きコンセントのような一般的なものなど。
また、電源から通信までが1つになったマルチメディアコンセントや高ワットに対応した15A・20Aアースターミナル接続コンセントのような特殊なものまでさまざまな種類があります。使用したい機器に合わせて設置する設備です。
上記の他に、電気工事ではスイッチ・配線・照明など電気の関わるほぼすべての設備が対象です。中には、「こんなものまで!」と一見すると無関係そうな設備まで対象の場合があるので、迷っているなら業者に問い合わせてみましょう。
電気工事の種類は多岐に渡る
電気工事とひとくくりにしていますが、その種類は多岐に渡ります。例えば、基本的なコンセントや照明の設置から漏電調査のようなトラブルまでさまざまです。では、次は基本の電気工事の4種について紹介します。
照明・コンセント
電気工事でまず思い浮かぶのが照明・コンセントなどの設置です。中でも、コンセントの配線接続や増設などは、社員の増加やオフィス内のレイアウト変更などに合わせて必ずと言っていいほど必要となる電気工事でしょう。
また、照明機器の設置はもちろん、種類によっては電球1つでさえ電気工事が必要な場合もあります。最近では省電力・長寿命なことで人気のLED照明への切り替えで電気工事を依頼する場合が増えています。
漏電・分電盤
自宅に比べて、オフィスは電気の消費量が多いだけに配線や分電盤への負荷も大きくなります。当然、配線の断裂や分電盤の故障による漏電のリスクも高く、定期的な漏電調査や配線改修、分電盤交換などが必要です。
また、開設当初は小規模だったオフィスも、事業の拡大に伴いより大きな電力(アンペア)を必要とするものです。契約アンペアの変更やブレーカーの交換など、オフィスには電気工事に関係する問題がいたるところにあると言えます。
太陽光発電
自宅用はもちろん、最近ではオフィスビルの屋上などに太陽光発電システムを設置する企業が増えてきました。エコの観点や消費電力の削減などさまざまな理由が考えられますが、太陽光発電の設置も電気工事の一種です。
また、太陽光発電に付随する形でオフィス内のオール電化も進んでいます。例えば、給湯システムやIHクッキングヒーターなど、将来的にはオフィス設備のほぼ全てに電気工事が関わる日も決して遠くはないでしょう。
防犯・火災報知
「こんなものまで!」と驚くのが、防犯設備や火災報知設備などです。一見するとパソコンや複合機などの電子機器に分類される気もします。しかし、考えてみると監視カメラ・電気錠・感知器などの設置には”電気配線”が欠かせません。
このように、オフィス内において思わぬものまで電気工事に関わっています。正直、「ここからここまで」と明確に分けることはオフィス内では難しいでしょう。少しでも電気が関わっているなら基本的に業者に問い合わせるのがおすすめです。
電気工事を行うには”資格”が必要?!
ここまで基本として電気工事は業者に依頼した方が良いと紹介してきました。おそらく、皆さんの中には「自分でできるのでは?」と思っている方も多いと思います。確かに、自宅でちょっとした電気工事のようなことをした方もいるでしょう。しかし、電気工事は資格が必要だという事をご存知ですか?
電気工事に必要な資格・電気工事士
結論から申し上げると、電気工事には電気工事士の資格が必要です。電気工事士には住宅や店舗を対象とした”第二種電気工事士”と工場やビルなどを対象とした”第一種電気工事士”などがあります。
どちらも電気工事作業を行う上で必須となる資格で、厳しい試験(筆記・実地)をくぐり抜けた”国家資格”です。つまり、私たち素人とは違って作業員は電気工事に関する基礎知識を身につけているプロフェッショナルと言えます。
どうして電気工事士の資格が必要なのか?
最近、DIY(日曜大工)が流行っています。ただ、電気工事をDIY感覚で行うのは絶対におすすめしません。理由としては、素人が電気工事に手を出すと感電や漏電、火災などを引き起こす危険があるためです。
また、電気工事の中には壁に穴を開けたり、専門機器を設置したりと電気以外に建設などの知識も求められます。電気工事には電気工事法という法律で定められているので、勝手に電気工事をすると罰せられることもあるのです。
資格がなくてもできる工事もある
もちろん、電気工事士の資格がなくとも行える基礎的な電気工事もあります。
- 電圧600V以下で使用する接続器・電気機器・蓄電池などの接続工事
- 電圧600V以下で使用するヒューズや電力量計などの取り付け工事
- 電圧36V以下の小型電圧器の中でも呼び鈴やインターホンなどの配線工事
正直、基礎的な電気工事でさえ資格が必要か?不必要か?の判断は難しいと思います。感電や火災などの危険を考えると、基礎的な電気工事も業者に依頼した方が安全です。
まとめ
今回は、電気工事を検討中の皆さんに向けた電気工事の基礎知識についてまとめてみました。配線工事や分電盤交換などはもちろん、電球1つでさえ電気工事が必要な場合があります。電気工事に資格が求められるのは、正しい知識を知らない私たち素人が手を出すと、感電や火災といった危険性があるためです。
「これって電気工事が必要?」とちょっとでも悩んでいるのなら電気工事のプロ集団・OFFICE110に相談してみませんか? 電気工事の基礎・基本の質問から丁寧に解決し、皆さんに合わせた最適な提案をいたします。