電気のアンペア変更工事の流れと電気料金節約のポイント
「オフィス向けの良い物件を見つけた!」「でも、実際に入居してみるとアンペア数が足りない…」、初めてオフィスを開設する方に良くある失敗です。住宅とは異なりオフィスには数多くの機器が入るもの。アンペア数のチェックは重要です。
ただ、一般の方がいきなりアンペア数と言われても、「どこを見れば良いの?」「どれくらいのアンペア数が必要なの?」と困ってしまうのでは?足りないのはもちろんですが、必要以上に大きすぎて余計な電気代がかかるというのも問題です。
そこで、今回は自分のオフィスにぴったりなアンペア数のチェック方法についてご紹介しましょう。その上で、アンペア変更工事の流れや電気代を節約するポイントについてもまとめています。ぜひ、オフィスを開設する際にはチェックしてください。
アンペアの必要数を計算!
冒頭で紹介した通り、オフィスにはパソコンに複合機などと一般家庭以上に多くの機器が入ります。当然、必要となるアンペア数も多くなることに。では、まずはオフィスに必要となるアンペア数から計算していきましょう。
必要なアンペア数(電力使用量)を計算
必要となるアンペア数は、オフィスで使用する機器の種類と数によって決まります。以下に、各電化製品のアンペア数を記載しました。まずは自身のオフィスに何がどれだけ必要かをチェックしましょう。
- デスクトップパソコン…1〜4A
- ノートパソコン…0.5〜1A
- 液晶モニター…0.2〜0.6A
- インクジェットプリンター…0.1〜0.3A
- レーザープリンター…2〜5A
- スキャナ…0.02〜0.4A
- 複合機…15〜20A
- シュレッダー…3〜6A
- プロジェクター…0.8〜4A
- 電子レンジ…6〜15A
- 電気ポット…9〜13A
例えば、デスクトップ2台にノートパソコン1台、複合機に電子レンジがあるとします。上記から計算すると「デスクトップ(2〜8A)+ノートパソコン(0.5〜1A)+複合機(15〜20A)+電子レンジ(6〜15A)=23.5〜44A」に。
最低限なら23.5Aで良いかもしれませんが、日々の業務を問題なく行うなら44A以上あった方が安心と言えます。このようにオフィス内にある機器の種類と数からアンペア数を計算し、値よりも少し多めのアンペア数で契約する訳です。
移転先のアンペア数(最大値)をチェック
自身のオフィスに必要なアンペア数が計算できたら、次は移転先(賃貸オフィス)のアンペア数の最大値をチェックします。アンペア数の最大値は「ブレーカー」に記載されています。内覧中に印象の良かった物件はチェックしておきましょう。
ただ、中には内覧中の短い時間ではチェックできないブレーカーも。大家や管理会社(不動産会社)などに問い合わせれば教えてもらえます。必要数に対して設置数の方が大きいのであれば、アンペアの変更工事は必要ありません。
分電盤内の回路数もチェック
仮に、物件のアンペア数に問題がなかったとしても、「回路数」が足りないと各機器に必要な電力を供給できません。回路数とは分電盤内にある電力を枝分かれさせる機器のこと。アンペア数と同様に内覧中にチェックしておくと安心です。
ちなみに、デスクトップパソコンやノートパソコンなど、アンペア数の小さな機器であれば1回路に対して複数割り当てます。反対に、複合機のようなアンペア数の大きな機器は1回路を割り当てないと、ブレーカーが落ちやすいので注意です。
アンペア変更工事の流れ
仮に、移転先の物件に必要数以下のアンペア数しかないなら変更工事の必要があります。では、アンペアの変更工事の流れを見ていきましょう。ちなみに、アンペア数は頻繁に変更できないので工事するなら多めがポイントです。
お問い合わせから工事までの流れ
アンペアの変更工事にはブレーカー周りをいじる必要が。ブレーカー周りは「電力会社」の所有物なので、変更工事は東京電力や関西電力など契約する電力会社にお問い合わせしましょう。以下に、変更工事の流れをまとめました。
- お問い合わせ…契約する電力会社にアンペア数の変更を依頼する
- 担当者の訪問…電力会社の担当者が訪問し変更工事を行う
- 受電…変更工事に問題がなければ受電す(電力を受ける)する
お問い合わせから工事までは1週間程度。変更工事には20分前後、工事中は一時的に電力が遮断されるので注意が必要です。また、アンペア数の変更工事には「必ず立会い」が必要なのでスケジュールも調整しておいてください。
60アンペア以上ならもう少し時間が必要
ただ、先述した変更工事までの期間や時間は60A以内でのもの。60A以上や高圧契約の方だとお問い合わせから変更工事までにもう少し時間が。オフィスの開設予定日などもあると思うので、少なくとも1カ月前にはお問い合わせしておくのが安心です。
アンペア数は年間契約が基本!
必要となるアンペア数は機器や社員の増減により常に変化するもの。しかし、アンペア数は「年間契約」が基本です。例えば、「今月、新しい機器を導入するからちょっとだけ変更したい」とこまめに変更するのはできません。アンペア数は年間を通して予測を立てて契約しましょう。
電気代を節約するポイント
オフィス運営と電気代は切っても切り離せない関係です。ただ、電気代はできれば少しでも節約したいのでは?そこで、最後にオフィスの電気代を節約するポイントについてご紹介しましょう。電気代の相場についても見ていきます。
オフィスの電気代はいくら?
オフィスの電気代の相場を以下にまとめてみました。
- 10坪…2万円前後
- 70坪…7万円前後
10坪は7人前後、70坪は40人前後が働けるサイズのオフィスです。あくまで目安ではありますが、思っているより安い印象を受けるのでは?ただ、オフィスには水道代やガス代などがかかることを考えると少しでも抑えたいところです。
オフィスの電気代を節約には?
オフィスの電気代を抑えたいなら以下の3つから取り組みましょう。
- エアコンの設定温度を冬場は22度前後、夏場は27度前後に
- 窓周りにカーテンやブラインドを設置し放射熱を遮断する
- 廊下やトイレなど不要な照明器具は間引きしておく
オフィスの電気代のおよそ4割が空調設備によるもの。エアコンの設定温度を変更し、窓周りからの放熱を防ぐだけで2〜3割の節電につながります。また、消費電力の少ないLED(従来の50%程度)に変更するのもおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、オフィスの移転・開店で気をつけたいアンペア数の変更工事についてまとめてみました。必要なアンペア数は機器の種類と数で、オフィス内のアンペア数の最大値はブレーカーからチェックできます。
また、アンペア数の変更工事は各電力会社にお問い合わせすれば、低電力(60A以下)なら1週間程度で変更で。立会いは必要なものの、時間としては20分程度なので日々の業務に支障をきたすことなく工事できます。
ただ、アンペア数の変更工事以外は電気工事の業者に依頼する必要が。もし電気工事も一緒にというのであれば、ぜひOFFICE110にお問い合わせください。皆さんの電気工事に対する相談から最適なプランをご提案します。